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臨床経験
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抄録:Os odontoideumに対する環軸椎固定の10年後に頚椎後縦靱帯骨化(以下OPLL)による頚髄症が発症し,除圧術を要した1例を報告する.症例は29歳男性である,18歳時にOs odontoideumによる頚髄症を発症し,Brooks法による環軸椎固定術を施行した.症状は軽快したが,10年後に再び頚髄症が出現し,C3からC5にかけて初回手術時にはなかったOPLLによる脊髄圧迫を認めた.C3からC5の脊柱管拡大術(桐田-宮崎法)を行い,症状は軽快した.本症例のOPLL発生には,固定椎隣接椎間への応力増大による後縦靱帯への反復負荷が,局所因子として関与したと考える.
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