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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻4号

1996年04月発行

文献概要

特集 脊椎外傷の最近の進歩(上位頚椎を除く)(第24回日本脊椎外科学会より)

頚髄損傷の磁気刺激法による客観的運動路評価

著者: 飯塚正1 都築暢之1 斎木都夫1 巣山直人2

所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター整形外科 2埼玉医科大学整形外科

ページ範囲:P.351 - P.359

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 抄録:頚髄損傷の病態は多彩で,臨床と画像とが一致しないこともあり,予後予測は困難なことが多い.そこで磁気刺激法による客観的運動機能評価と予後判定の可能性を検討した.対象は31例(男27例.女4例.平均52歳).骨傷性9例,非骨傷性22例.転倒13例,交通事故10例,転落7例,他1例.急性・亜急性13例.慢性18例.方法は経皮的に頭,頚,腰部を磁気刺激し,表面電極で四肢筋から運動誘発電位MEPを導出した.日整会基準とFrankel基準を用いた.結果は,MEPと運動機能とはほぼ平行した.レベル診断にミオトーマルMEPが有用であった.重症例の予後判定に関しては,MMT2以下の筋では従来,MEP記録が不可能であったが,今回,72肢の中56肢(78%)で導出でき,MMTが0の36肢中17肢(47%)でも記録に成功した.この17肢中16肢(94%)で検査後にMMTが0から1か2に改善した.すなわち,頚髄損傷の予後予測の可能性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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