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特集 脊椎外傷の最近の進歩(上位頚椎を除く)(第24回日本脊椎外科学会より)
実験的脊髄損傷における神経細胞死の観察
著者: 宮内裕史1 米和徳1 酒匂崇1 和田正一1 石堂康弘1 津守伸浩1
所属機関: 1鹿児島大学整形外科
ページ範囲:P.361 - P.367
文献購入ページに移動Wister Ratを用い,椎弓切除術を行った後,第9胸髄をBlackらのstatic load techniqueに準じて120gの重錘にて2分間圧迫し脊髄不全損傷モデルを作成した.損傷3時間後から1週間後まで経時的に損傷脊髄を一塊として摘出した.得られた組織を固定,包埋した後,hematoxylin-eosine(HE)とnick-end-label法を用いて染色し形態的・生化学的観察を行った.
損傷12時間後から72時間後まで,損傷中心部から頭側,尾側に12mm離れた部位を中心にHE染色にて核が濃染し,nick-end-label法にて発色する前角細胞群が観察された.この結果より,脊髄損傷後の二次的な神経細胞死は,従来考えられていたnecrosisのみならずapoptosisも存在可能性が示唆された.
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