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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻4号

1996年04月発行

文献概要

特集 脊椎外傷の最近の進歩(上位頚椎を除く)(第24回日本脊椎外科学会より)

頚椎後縦靱帯肥厚の機序―抗PCNA抗体による免疫組織化学的検討

著者: 茂手木博之1 山崎正志1 後藤澄雄1 金民世1 後藤憲一郎1 守屋秀繁1

所属機関: 1千葉大学医学部整形外科

ページ範囲:P.369 - P.375

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 抄録:術中摘出頚椎後縦靱帯に対し,抗PCNA抗体を用いた免疫組織染色を行って細胞増殖能を評価し,頚椎後縦靱帯肥厚(HPLL)の発症機序を解析した.HPLL例および頚椎後縦靱帯骨化症(OPLL)例では椎体隅角高位および椎体中央部の後縦靱帯内にPCNA陽性細胞が検出された.頚椎椎間板ヘルニア(CDH)例では椎体隅角高位にのみPCNA陽性細胞を認め,頚椎症性脊髄症(CSM)例ではいずれの靱帯にも陽性細胞は存在しなかった.以上より,HPLLおよびOPLL例では後縦靱帯の全域にわたって細胞の増殖能が亢進していることが考えられ,両者は靱帯細胞の性状異常を基盤に発生する共通の病態である可能性が示唆された.また,HPLLはCDHやCSMに伴った単なる反応性の靱帯肥厚とは異なった病態であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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