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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻4号

1996年04月発行

文献概要

特集 脊椎外傷の最近の進歩(上位頚椎を除く)(第24回日本脊椎外科学会より)

ラット胸髄半切後の腰仙部セロトニン神経成分と運動機能の回復

著者: 猿橋康雄1 福田眞輔1 今中徹1 李方祥1

所属機関: 1滋賀医科大学整形外科 2ニューヨーク大学医療センター脳神経外科

ページ範囲:P.377 - P.382

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 抄録:脊髄損傷後の運動機能の回復と腰仙部セロトニン(5-HT)神経成分の関係に注目しラット胸髄を半切した後に経時的に腰仙部脊髄の5-HT免疫組織化学を行った.成熟雄ラットを用い胸髄左側半切後1週から4週で灌流固定を行い脊髄を摘出し免疫組織化学を行った.また運動機能回復過程においてmianserin(5-HTIC,5-HT2Aレセプター阻害剤)を投与しその影響を観察した.胸髄左側半切後の両下肢運動機能は著明に低下したが右側は3週で左側は4週でそれぞれほぼ正常な運動機能に回復した.胸髄半切後,半切側の腰仙部前角細胞周囲の5-HT神経成分は著明に減少し,その後徐々に回復した.その回復の過程は運動機能の回復と著明な相関を呈した.半切後の運動機能の回復はmianserinにより一時的に阻害された.これらの結果より脊髄半切後の運動機能の回復には腰仙部5-HT神経成分が重要な働きをしていると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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