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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻4号

1996年04月発行

文献概要

特集 脊椎外傷の最近の進歩(上位頚椎を除く)(第24回日本脊椎外科学会より)

胸椎安定性における後方要素,肋椎関節,および胸郭の生体力学的役割

著者: 織田格1 鐙邦芳1 呂多賽1 庄野泰弘1 金田清志1

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科

ページ範囲:P.383 - P.389

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 抄録:胸郭付の胸椎を用いて胸椎安定性に関する力学的実験を行った報告はほとんどない.そのため,胸椎安定性に果たす肋椎関節・胸郭の役割は明らかではない.本実験では,胸郭付のビーグル成犬屍体胸椎に段階的損傷を加えて力学試験を行い,胸椎安定性における後方要素,肋椎関節,および胸郭の生体力学的役割を解析した.後方要素は主に前後屈の制御に重要であった.肋椎関節と胸郭は主に側屈と軸回旋の制御に重要であった.また,肋椎関節と後方要素の同時損傷により,全ての回旋負荷に対する胸椎の椎間安定性は著しく損なわれた.肋椎関節は胸椎の重要な安定要素であり,胸椎安定性の評価には肋椎関節の状態の評価が必要である.また,側弯症の矯正術の際,肋椎関節切除により側屈と軸回旋の可動域が増大し,矯正率が向上する可能性がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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