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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻4号

1996年04月発行

文献概要

特集 脊椎外傷の最近の進歩(上位頚椎を除く)(第24回日本脊椎外科学会より)

X線上骨傷のない頚髄損傷における体性感覚誘発電位の検討

著者: 遠藤健司1 柄沢玄宏1 平学1 高山俊明1 井上全夫1 市丸勝二1 伊藤公一2 三浦幸雄2

所属機関: 1東京医科大学霞ヶ浦病院整形外科 2東京医科大学整形外科

ページ範囲:P.397 - P.403

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 抄録:X線上骨傷が明らかでない頚髄損傷は,しばしば画像診断のみでは損傷高位の決定や脊髄病態の把握が困難なことが多い.臨床的には,詳細な神経学的検索を行うと共に電気生理学的検討も有効な補助診断となるというのが現状である.筆者らは,これらの神経症状の変化をFrankel分類で評価を行い,体性感覚誘発電位(SEP)を計測することにより神経症状の変化を客観化する試みをした.SEPは,受傷後1週間以内の記録において,麻痺の生じた症例の68%で,N13またはN20頂点潜時の遅延,波形の消失などの変化が生じていた.そして,6カ月後の記録では,神経症状が改善しているグループでSEPもその80%で改善しており麻痺とSEPの変化に相関が認められた.SEPを経時的に観察することで麻痺を客観化することができ,治療効果の判定にも有用であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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