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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻4号

1996年04月発行

文献概要

特集 脊椎外傷の最近の進歩(上位頚椎を除く)(第24回日本脊椎外科学会より)

頚椎椎間板ヘルニアの自然経過と治療法の選択

著者: 吉田宗人1 玉置哲也1 川上守1 安藤宗治1 山田宏1 林信宏1 橋爪洋1

所属機関: 1和歌山県立医科大学整形外科

ページ範囲:P.415 - P.421

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 抄録:頚椎椎間板ヘルニアに対する新たな治療プログラムを構築するため,脊柱管拡大術(LAP)を施行した32症例と保存療法を施行した15例において,ヘルニア塊の自然経過と神経症状との関係をMRIと対比して調査した.MRIの経時的な観察ではヘルニア塊は脊柱管拡大術(LAP)の20例中15例(75%),保存療法15例中12例(80%)に縮小,消退を認めた.LAPの成績は術前JOAscore 8.9点から術後14.4点,改善率は67.9%と良好であった,保存治療例もヘルニア塊不変の3例を除いて神経症状は改善した.ヘルニア塊の消退メカニズムとして,腰椎同様の吸収機序に加えて,LAP例では硬膜拍動の回復が相乗的に作用すると考えられた.線維輪突出型は消退しないが,後縦靱帯深層を穿破したものは消退し,その程度はヘルニア構成成分の差によると考えられた.頚椎椎間板ヘルニアは縮小し得るとの認識に立った治療プログラムの必要性を強調し,最近のわれわれの治療方針について述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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