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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻4号

1996年04月発行

文献概要

特集 脊椎外傷の最近の進歩(上位頚椎を除く)(第24回日本脊椎外科学会より)

頚椎flexion myelopathy手術症例の検討

著者: 今野慎1 後藤澄雄1 村上正純1 大河昭彦1 加藤大介1 茂手木博之1 望月真人1 喜多恒次1 守屋秀繁1

所属機関: 1千葉大学医学部整形外科

ページ範囲:P.423 - P.430

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 抄録:頚椎後方固定術に加え硬膜形成術を行った頚椎flexion myelopathy症例5症例のX線所見,手術所見,摘出硬膜病理所見から本症の病態の検討と術式の評価を行った.X線学的には頚椎前屈時の硬膜管,脊髄の陥凹だけでなく,中間位においても脊髄の可逆的な扁平化が認められたことから,前屈時の動的因子に対し静的因子の存在を提唱した.硬膜の手術所見での頭尾方向への強い緊張と,病理学上の弾性線維の減少および波型構造の消失から,これら両因子に硬膜が重要な役割を担っていると考えられた.また本症は椎孔横径や横突孔直径が大きいという椎体の形態異常が示され,硬膜の異常とあわせ全身的な要素の存在が疑われた.術後早期より何らかの手術効果が認められたことなどから,動的因子に対する固定術と静的因子に対する硬膜形成術を行う本法は頚椎flexion myelopathyの病態に合致した,今後試みられるべき新しい手術法であると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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