icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻4号

1996年04月発行

文献概要

特集 脊椎外傷の最近の進歩(上位頚椎を除く)(第24回日本脊椎外科学会より)

椎弓根スクリュー固定による損傷頚椎の再建

著者: 鐙邦芳1 金田清志1 佐藤栄修1 浅野聡2

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科 2釧路労災病院整形外科

ページ範囲:P.447 - P.455

文献購入ページに移動
 抄録:1990年から椎弓根スクリュー法を用いて,40例の頚椎損傷の治療を行った.Allen分類ではdistractive flexion型が最も多く,22例であった.8例は受傷後8週以上経過の陳旧例であった.初期の25例にVSPかlsola systemを,最近の15例には頚椎用椎弓根スクリュー/プレートを用いた.側面透視下に椎弓根プローブ,スクリューを刺入した.陳旧例での除圧,後弯矯正などのため,7例に前方手術を併用した.3例に同時椎弓切除を行った.全例で骨癒合が得られ,後弯矯正,前方転位の整復も良好であった.椎骨動脈,脊髄,神経根損傷はなかった.椎弓根髄腔の直視下の確認,椎弓根プローブと側面X線透視の使用,適切な径のスクリューの選択により,頚椎椎弓根スクリュー刺入の安全性は十分に高まる.椎弓根スクリュー固定は,確実な固定性,大きな矯正力,固定を椎弓に依存せず同時椎弓切除が可能,など多くの利点を有し,損傷頚椎の再建に有力な内固定法である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら