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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻4号

1996年04月発行

文献概要

特集 脊椎外傷の最近の進歩(上位頚椎を除く)(第24回日本脊椎外科学会より)

広範囲頚胸椎脊柱管拡大術における胸髄後方移動度の検討

著者: 阿部良二1 都築暢之1 飯塚正1 斎木都夫1 加藤浩2 巣山直人2

所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター整形外科 2埼玉医科大学整形外科

ページ範囲:P.457 - P.462

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 抄録:病理解剖屍体25例で,頚胸髄前方支持組織の有無と硬膜幅を調査し,また広範囲頚胸椎脊柱管拡大術実施11例で,MRI画像上の術後胸髄後方移動度を計測して,解剖学的胸髄後方移動可能範囲と,胸椎部OPLLに対する本術式での胸髄後方移動範囲を検討した.頚椎および胸椎部において,脊髄前方中隔の存在は頚椎部で1例に認められたのみで,胸椎部には前方支持組織は存在しなかった.MRI画像上では,広範囲頚胸椎脊柱管拡大術後の胸髄の脊柱管内における矢状面での相対的位置は,術前のそれと変わらなかった.すなわち脊髄は後方へ移動したことを示している.後弯を有する胸椎部のOPLLでは,後方除圧によっても胸髄の後方移動が生じにくいとされているが,OPLLによって既に後方に押されて移動している胸髄でも,頚椎から胸椎に渡る広範囲な脊柱管の拡大により,さらに無理なく胸髄の後方移動が生ずることが確認された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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