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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻4号

1996年04月発行

文献概要

特集 脊椎外傷の最近の進歩(上位頚椎を除く)(第24回日本脊椎外科学会より)

骨粗鬆症性椎体骨折による遅発性神経麻痺の病態の検討

著者: 和田正一1 武富栄二1 簗瀬光宏1 山下達嘉1 前原東洋2 酒匂崇1

所属機関: 1鹿児島大学医学部整形外科学教室 2整形外科前原病院

ページ範囲:P.473 - P.479

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 抄録:骨粗鬆症による椎体骨折後の遅発性神経麻痺の病態を明らかにすることを目的として,本症の診断で治療した症例を画像所見,治療成績について検討した.対象は18例で治療法別には観血群11例(前方法3例,後方法8例),保存群7例であった.脊柱管内骨片占拠率は両群間で差はなく,損傷椎間可動性は両群で約9~12°であった.保存群や後方法では脊柱管内陥入骨片を直接には除去しないにもかかわらず,臨床症状の良好な改善が得られており,本症の病態に椎体不安定性の関与が大きい症例が存在することが示唆された.すなわち,本症発現には陥入骨片による圧迫である静的因子と椎体不安定性などの動的因子の双方が関与しており,その比重は様々であると考えられた.治療法はこれらの症態に加えて,高齢のために問題となる全身合併症や骨脆弱性などを症例ごとに十分に把握して選択することが重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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