icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻4号

1996年04月発行

文献概要

特集 脊椎外傷の最近の進歩(上位頚椎を除く)(第24回日本脊椎外科学会より)

腰椎椎間関節の神経支配について

著者: 須関馨1 高橋弦1 高橋和久1 千葉胤道2 田中宏一2 中村伸一郎1 森永達夫1 山縣正庸1 守屋秀繁1

所属機関: 1千葉大学医学部整形外科学教室 2千葉大学医学部解剖学第三教室

ページ範囲:P.503 - P.508

文献購入ページに移動
 抄録:腰椎椎間関節の知覚は分節性支配とされているが,腰痛患者で鼠径部や大腿前部の疼痛を訴える症例の中には下位腰椎椎間関節ブロックにてそれらの疼痛が消失する場合がある.われわれは神経トレーサーであるcholera toxin B subunit(CTB)をラットのL5/6椎間関節に標識し,両側の後根神経節および傍脊椎交感神経節でのCTB陽性細胞の有無を観察した.その結果,CTB陽性細胞は従来から報告されている標識側のL3からL5の後根神経節だけでなく,L1からL5の後根神経節,およびT12からL6の傍脊椎交感神経節に認められた.本研究の結果より,下位腰椎椎間関節の病変にて生じる鼠径部や大腿前部の疼痛はL1・L2分節領域への関連痛として説明され,L2神経根ブロックが椎間関節痛にも有効である可能性が示唆された.また,傍脊椎交感神経節から投射する交感神経節後線維が腰椎椎間関節の知覚に関与している可能性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら