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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻5号

1996年05月発行

文献概要

整形外科英語ア・ラ・カルト・43

比較的よく使う整形外科用語・その10

著者: 木村專太郎1

所属機関: 1那珂川病院

ページ範囲:P.626 - P.627

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●De Quervain's Disease(デ・ケァヴァンズ)
 “De Quervain”の日本語の読み方は,“ド・ケルバン”が“デ・ケルヴァン”と書かれているし,日本の教科書には“De Quervain tenosynovitis”と書かれている.しかし英語の本には“De Quervain disease”と書かれていることが多いことを記しておく.デ・ケルヴァン(Fritz de Quervain 1868-1940)はスイスの外科医である.
 “De Quervain disease”は,母指の過度の使用による長母指外転筋腱と短母指伸筋が共に入っている腱鞘の炎症であり,母指の機能障害を生じる.最近外来では,左側のデ・ケルヴァン病を診察することが多い.原因は車の運転をするとき,オートマティック・ギアの過度の交換操作によるものである.交差点で信号の青を待つあいだ,ギアのボタンを母指で押して,ニュートラル(neutral)かパーク(park)のポジションに入れ,また進むときにギアを入れ換える.それを頻回に行うことにより,この腱鞘炎を起こしているようだ.急性の場合ステロイド剤の局所注射が一番即効性があるようである.注射針は小さい30ゲージか27ゲージがよいと思う.大きな針により腱の一部が切れたため,腱が腱鞘内をスムーズに動かず,手術症例になった場合もある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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