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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻5号

1996年05月発行

文献概要

臨床経験

有鉤骨鉤偽関節に続発した小指屈筋腱断裂の1例

著者: 田中健司12 木野義武1 服部順和1 近藤喜久雄1 鈴木潔1 岸精一1 小出敬之1 木俣一郎1 岩田佳久1 亀山泰1 宮崎芳一1 夏目徹1 太田進1 矢島弘毅1

所属機関: 1名古屋掖済会病院整形外科 2安城更生病院

ページ範囲:P.631 - P.633

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 抄録:有鉤骨鉤骨折後の偽関節により小指屈腱断裂を生じた1例を経験したので報告する.症例は44歳,男性,鮮魚商.主訴は左小指屈曲障害.25年間冷凍マグロを解体する仕事に従事し,左手掌で包丁の背中を叩いてきた.1993(平成5)年5月初旬,仕事中突然,左小指屈曲障害に気づき紹介にて当科初診となる.初診時左小指は屈曲不能であり,手根管撮影で有鉤骨鉤に骨折を認め,それに伴う小指屈筋腱断裂を疑い手術を施行した.小指浅指・深指屈筋腱は偽関節となった有鉤骨鉤部で断裂し,環指浅指屈筋腱も一部磨耗を認めた.これは長期間にわたり有鉤骨鉤部の辺りで包丁の背中を繰り返し叩いてきたことによる外力で鉤部骨折を起こし,偽関節となり滑車となる鉤部で屈筋腱が磨耗脆弱化し断裂したものと考えられた.治療において骨片摘出と腱移行術を行い良好な結果を得ることができ原職に復帰している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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