icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻5号

1996年05月発行

文献概要

臨床経験

アキレス腱付着部断裂の1例

著者: 君島康一12 高橋惇1 外川宗義1 松本隆志1 伊丹一博1 山村則文1 小山明1

所属機関: 1清水市立病院整形外科 2都立大久保病院整形外科

ページ範囲:P.639 - P.642

文献購入ページに移動
 抄録:アキレス腱付着部断裂はアキレス腱断裂全体の1%以下と稀である.われわれは,付着部断裂の症例に対し,Leeds-Keio人工靱帯を用いた付着部再建術を行い良好な結果を得た.症例は,50歳の女性で,歩行中に鉄骨につまずき,転倒して受傷した.身長153cm,体重90kgと肥満体型であり,右アキレス腱踵骨付着部に圧痛,および付着部直上に陥凹を認め,Thompson徴候は陽性であった.単純X線像で,踵骨近位後方に小骨片を認めた.手術所見では,アキレス腱本体は踵骨付着部で断裂し,断端には踵骨剥離骨片を僅かに認めた.踵骨に骨溝を掘り,アキレス腱断端を骨溝内に埋没縫合し,さらに幅20mmのLeeds-Keio人工靱帯をアキレス腱および踵骨に通し補強とした.術後2年における足関節の可動域は,背屈20°底屈40°で,日常生活に問題はない.踵骨付着部付近の断裂が疑われる際には術前の単純X線撮影が有用であり,また,付着部再建の準備が必要と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら