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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻5号

1996年05月発行

文献概要

臨床経験

腋窩リンパ節炎を伴ったツ反陰性手部結核性腱鞘炎の1例

著者: 荒井毅12 大橋俊郎1 谷知久1 太田万郷1 塩見朗1 大東美生1 篠原有美1 笹谷勝巳1

所属機関: 1朝日大学村上記念病院整形外科 2芦川胃腸科病院

ページ範囲:P.647 - P.650

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 抄録:腋窩リンパ節炎を伴った手部結核性腱鞘炎と診断した1例を経験した.本例は画像診断により病巣範囲が的確に把握可能であった.また近年では極めて稀な症例と考え報告する.症例は6カ月間経過の右手関節部の鈍痛,腫脹,握力低下,右腋窩部の腫脹が主訴の38歳男性であった.初診時白血球高値を認め,抗生剤投与により正常化したが症状は変わらなかった.家族歴,既往歴は特に異常なく,X線所見では右手関節に骨萎縮像を認めたが,胸部異常所見はなかった.入院時検査では炎症反応,ツ反,腫瘍マーカー,RA test等はすべて陰性,喀痰,胃液,尿沈渣の結核菌塗抹,培養も陰性であった.以上より確定診断は困難であったため腋窩部の生検を行いヒト型結核菌によるリンパ節炎と診断された.右手関節の病巣もこれに関連するものと考えCT,MRIを用いて病巣範囲を的確に把握した後,徹底的に掻爬郭清した.病理標本より結核性腱鞘炎と診断された.術後症状も消失し,経過良好である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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