文献詳細
文献概要
臨床経験
骨病変を呈した先天梅毒の2症例
著者: 貝田勇治1 吉良秀秋1 大里裕治1 古川敬三1 平野徹2
所属機関: 1佐世保市立総合病院整形外科 2長崎大学整形外科教室
ページ範囲:P.655 - P.659
文献購入ページに移動症例1:生後3カ月の男児.周産期に異常なく,満期正常出生.生後2カ月半より特に誘因なく右上肢の運動障害が出現し,さらに39°台の発熱を生じた.小児科より右上肢の化膿性骨関節炎の疑いで当科に紹介された.初診時,右上肢を全く動かそうとせず,触るといやがるが,発赤,腫脹は認められなかった.X線像で右上腕骨近位部に骨折を生じ,ほぼ骨全長にわたり骨膜性肥厚が認められた.これらは全身骨にも認められ,その後の検査で母子ともに梅毒反応陽性と分かり,Parrotの仮性麻痺を伴った梅毒性骨膜炎と診断した.
掲載誌情報