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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻5号

1996年05月発行

文献概要

臨床経験

骨病変を呈した先天梅毒の2症例

著者: 貝田勇治1 吉良秀秋1 大里裕治1 古川敬三1 平野徹2

所属機関: 1佐世保市立総合病院整形外科 2長崎大学整形外科教室

ページ範囲:P.655 - P.659

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 抄録:近年,先天梅毒は,治療の進歩に伴いわが国では稀な疾患となったが,今回,われわれは典型的骨病変を呈した先天梅毒の2症例を経験したので報告した.
 症例1:生後3カ月の男児.周産期に異常なく,満期正常出生.生後2カ月半より特に誘因なく右上肢の運動障害が出現し,さらに39°台の発熱を生じた.小児科より右上肢の化膿性骨関節炎の疑いで当科に紹介された.初診時,右上肢を全く動かそうとせず,触るといやがるが,発赤,腫脹は認められなかった.X線像で右上腕骨近位部に骨折を生じ,ほぼ骨全長にわたり骨膜性肥厚が認められた.これらは全身骨にも認められ,その後の検査で母子ともに梅毒反応陽性と分かり,Parrotの仮性麻痺を伴った梅毒性骨膜炎と診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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