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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻6号

1996年06月発行

文献概要

論述

Kinematic Rotating-Hinge型人工膝関節の術後成績と手術適応

著者: 王享弘1 小林晶1 吉本隆昌1 進藤隆康1

所属機関: 1福岡整形外科病院

ページ範囲:P.689 - P.695

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 抄録:kinematic rotating-hinge型人工膝関節はhinge型に比べ関節面がmetal to polyethyleneであり,また同部である程度の回旋を許容し,hinge型に多くみられるlooseningが少ないとされている.過去18年間に18例・23関節に使用し,術後2年以上を経過した15例17関節が調査可能であり,追跡期間は平均5年2カ月であった.臨床成績はJOA scoreでOAの12関節は46.3±9.1点から73.3±16.6点へと改善し,RAの5関節は34.8±12.0点から58.6±10.3点と,改善度はあまり満足できるものではなかった.radiolucent lineは脛骨側で10関節にみられた.大腿骨側では1関節のみであったが,7関節にステム周囲にreactive lineと考えられる所見が認められた.合併症としてlooseningを2関節に認めたがそれ以上進行しておらず,現在までに再手術例の経験はない.膝蓋骨componentのmalalignmentを6関節に認めたが愁訴は軽度で,またimplantの破損や感染例はなかった.以上より当院での術後成績は満足すべきものであったが,手術適応としては慎重であるべきであり,①著明な動揺性を示し,軟部組織の再建では安定性が得られない例,②両側compartmentの高度な骨欠損例のみが適当と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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