icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻6号

1996年06月発行

文献概要

論述

成長期腰椎分離症に対する装具治療―RI骨シンチグラフィーによる患者選択と分離部修復

著者: 日野浩之1 鐙邦芳1 金田清志1 佐藤栄修1

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科

ページ範囲:P.697 - P.704

文献購入ページに移動
 抄録:29例の装具治療による分離症の治療結果を報告した.従来,分離部修復の可能性は50%程度と言われてきたが,治療対象患者の選択により修復率を上昇させることが可能である.1987年から,単純および断層X線写真により分離症と診断のついた症例に骨シンチグラフィー(最近の症例ではSPECT)を施行し,分離部集積例に対象患者を限定した.29例中27例は両側分離,2例は片側分離であった.硬性装具約4カ月,その後軟性装具約2カ月装用し,スポーツ活動の制限を行った.29例58分離中46分離(79%)で癒合・修復が得られた.腰椎分離症の発生機序は,椎間関節間部における疲労骨折の要素が強く,分離症の発生が新しければ,局所の骨代謝は亢進しており骨シンチにおいて分離部集積像が高頻度に認められる.骨シンチ陽性例に装具治療を限定すると分離部の修復率は高まる.骨シンチグラフィーは装具治療対象患者の選択に有用である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら