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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻6号

1996年06月発行

文献概要

臨床経験

開胸前側方進入で摘出した第3胸髄砂時計腫の1例

著者: 長谷川新1 井戸一博1 清水克時1 藤尾圭司1 安藤元郎1 中村孝志1 池修2 笠井宗一郎3

所属機関: 1京都大学医学部整形外科 2京都大学胸部疾患研究所 3京都工場保健会診療所整形外科

ページ範囲:P.743 - P.746

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 抄録:第3胸髄に発生した砂時計腫を開胸前側方進入にて全摘出し,良好な結果を得た.症例は25歳男性.主訴は健康診断における胸部単純X線検査での異常陰影.入院時,自覚症状はなく,ADL上特に問題となることはなかった.右側膝蓋腱反射の低下以外には,知覚障害,膀胱直腸障害,歩行障害のような神経学的異常は認められなかった.単純X線上,右上肺野に境界明瞭な異常陰影が認められ,第3胸椎右側の椎間孔の拡大が見られた.MRI,CT,CTMではTh3/4に胸腔内,脊柱管内に拡がる腫瘍が存在し,右方から脊髄を圧迫しており,Eden分類type 3の砂時計腫が疑われた.手術は第3肋間における右後側方開胸にて胸椎に到達し,マイクロサージャリーを併用し,胸腔内操作のみによって腫瘍を全摘出した.脊椎の再建,椎体固定は行っていない.腫瘍の病理診断は神経鞘腫であった.術後,神経脱落症状はなく,術後3日で歩行可能,術後15日で退院した.術後5カ月,CTM上再発の徴候は認められない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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