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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻6号

1996年06月発行

文献概要

臨床経験

胸郭形成術の影響で著しい肩部変形を呈した肩鎖関節脱臼,鎖骨骨折の各1例

著者: 宇井通雅1 小川清久1 吉田篤1 井口理1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科

ページ範囲:P.757 - P.760

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 抄録:過去に受けた胸郭形成術の影響で著しい肩部変形と挙上障害を来たした肩鎖関節脱臼および鎖骨骨折の各1例を報告する.症例1:66歳,男性.交通事故で右肩鎖関節脱臼を受傷し,6カ月目に受診した.人工靱帯による肩鎖関節再建術を施行したが再転位し,Weaver変法とDewar変法の合併術によって症状は軽減した.症例2:70歳,男性.転倒で鎖骨近位端骨折を受傷し,3カ月目に受診した.肩部変形は徐々に増強し肩関節運動は著しく障害されるようになった.2例共,胸郭形成によって肩甲骨に対する胸郭の支持性が低下し,通常起こり得ない進行性の変形と,諸筋群の長さの短縮による運動障害を来たしたと考えられる.胸郭形成が施行されている場合の肩甲部外傷に対しては,慎重な治療計画と強固な固定が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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