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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻6号

1996年06月発行

文献概要

臨床経験

肩関節に生じたsynovial chondromatosisに対する鏡視下摘出術の1例

著者: 前田啓志1 藤田健司1 岩崎安伸1 水野耕作1 田中義之2

所属機関: 1神戸大学医学部整形外科学教室 2田中整形外科

ページ範囲:P.771 - P.774

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 抄録:synovial chondromatosis(osteochondromatosis)は,関節内遊離体を生ずる疾患として代表的なものであるが,肩関節に発症することは少なく,われわれが渉猟し得た範囲では本邦で32例しか報告されていない.今回われわれは,その比較的稀な肩関節に発症したsynovial chondromatosisの1例を経験したので若干の文献的考察を含めて報告した.症例は16歳男性で,主訴は右肩関節の運動時痛である.可動域は全方向に軽度制限されており,痛みを伴っていた.各種X線像,MRI像等により肩関節内広範囲に多数の遊離体を認めたため,術後の拘縮等を考慮に入れ,関節鏡を使用して関節内遊離体の除去術を行い,遊離体の病理組織像よりsynovial chondromatosisと診断した.術後経過は短期間であるが肩関節の可動域は完全に回復し,現在のところ遊離体の再発もない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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