icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻6号

1996年06月発行

文献概要

臨床経験

骨折治療の経過中に肺塞栓症で死亡した2例

著者: 笠井裕一1 岡田元1 関口章司1 須藤啓広1 塩川靖夫1 荻原義郎1 竹内正嘉2 中村真潮3

所属機関: 1三重大学医学部整形外科学教室 2山田赤十字病院循環器内科 3石川病院内科

ページ範囲:P.779 - P.782

文献購入ページに移動
 抄録:骨折治療の経過中に肺塞栓症で死亡した2例を経験したので報告する.症例1は54歳,女性で,左足関節開放性脱臼骨折で受傷5日後に観血的骨接合術が行われ,術後19日目に突然,意識消失,呼吸困難となり死亡した.剖検所見では,左下腿に深部静脈血栓の形成がみられ,左主肺動脈と右肺動脈下枝に赤色塞栓が確認された.症例2は21歳,男性で,右中心性股関節脱臼などの診断で入院し,受傷14日後に突然,不穏状態,呼吸停止となり死亡した.剖検所見では,下大静脈血栓の形成がみられ,肺動脈幹から左右肺動脈分岐部にわたって赤色塞栓が確認された.今回の2症例を経験して,肺塞栓症発症の危険因子を多く有するハイリスク患者群を認識することが早期診断や治療を行うために最重要であると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら