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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻7号

1996年07月発行

文献概要

論述

仙骨嚢腫40例の治療経験

著者: 丸岩博文12 鎌田修博3 河野亨3 新井健3 鈴木康之3 内田哉也3 山中芳3

所属機関: 1静岡赤十字病院整形外科 2浦和市立病院 3慶應義塾大学医学部整形外科

ページ範囲:P.805 - P.810

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 抄録:MRIで確認された仙骨囊腫40例に対し画像所見,臨床症状ならびに治療成績を検討した.発見頻度は腰仙椎部MRI施行例の約1%であり,平均年齢は54歳,男女比は2対3で女性に多かった.画像所見では第2仙椎椎体高位に単発性に発生することが多く,長径は平均18mmであった.他の脊椎・脊髄疾患を合併しない仙骨囊腫20例の臨床症状は腰仙部痛,下肢痛が多く,神経症状のある例は20%と比較的少なかった.腹圧上昇時の症状再現(いきみテスト陽性例)が脊椎・脊髄疾患合併例の15%,非合併例の44%にみられ,症状関与の判定の一助となると思われた.保存的治療により8割の症例は症状が消失ないし改善した.他の脊椎・脊髄疾患のため手術となった症例も,仙骨囊腫が症状に関与している確証が得られなかったため,観血的処置を加えなかったが,術後成績には影響がなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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