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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻7号

1996年07月発行

文献概要

臨床経験

両側大腿骨頚部spontaneous fractureの1例

著者: 宗安浩子12 仲川喜之1 三浦太士1 鶴薗雅史1 梅垣修三1

所属機関: 1榛原町立榛原総合病院整形外科 2松下会東生駒病院

ページ範囲:P.847 - P.849

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 抄録:近年,大腿骨頚部spontaneous fractureの報告が散見されるが,両側同時発生例は稀とされる.今回,われわれは高齢者の骨粗鬆症例で明らかな外傷歴なく,両側ほぼ同時期に生じた大腿骨頚部spontaneous fractureの1例を経験したので報告する.症例は81歳の女性で,高度の骨粗鬆症以外に基礎疾患はなかった.初診時のX線所見は陰性で,再診時のX線像より初めて診断がなされた.MRIでは骨頭下を横切る低信号域を認めたが,骨頭には異常信号域を認めず骨頭への血行は維持されているものと考えられた.治療は両下肢免荷にて保存療法を行い,内反変形は残存したものの機能的には問題なく骨癒合が得られた.高齢者の股関節痛の診断に際し,明らかな外傷歴がなく,X線所見が陰性であっても本症の存在を念頭におき,注意深い経過観察が必要であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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