icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻8号

1996年08月発行

文献概要

臨床経験

悪性軟部腫瘍切除後に長趾屈筋腱によるアキレス腱再建術を施行した1例

著者: 林田達郎1 野口昌彦1 高宮尚武1 村田博昭1 楠崎克之1 平澤泰介1

所属機関: 1京都府立医科大学整形外科

ページ範囲:P.963 - P.968

文献購入ページに移動
 抄録:われわれは下腿三頭筋に発生した悪性軟部腫瘍切除後に長趾屈筋腱によるアキレス腱再建術を施行したので報告する.症例は48歳女性.1994年4月から左ふくらはぎに腫瘤を触知したが疼痛はなく放置していた.その後,正座時に左膝窩部にひきつれ感を自覚するようになり,同年8月に当科を初診した.画像所見で腓腹筋内に8×5×5cmの脂肪とiso-densityなモザイク状の腫瘤像を認めたため生検術を行った.病理組織像から高分化型脂肪肉腫と診断し腓腹筋,ヒラメ筋,アキレス腱を含む広範囲腫瘍摘出後,長趾屈筋腱(FDL)によるアキレス腱再建術を施行した.長母趾屈筋腱とFDLを交差部で縫合しFDLをその中枢側で切離し踵骨に作製したトンネルに通した後,断端部をFDL中枢部に縫合しアキレス腱を再建した.術後1年の現在,足関節可動域,底背屈力は健側と同程度まで回復した.日整会足部疾患治療成績判定基準では88点で再建したアキレス腱の機能は良好である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら