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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻8号

1996年08月発行

文献概要

臨床経験

小児の小指に発生した類上皮型悪性神経鞘腫の一例

著者: 小林由香1 須藤隆二1 岡義範1 加藤優子2

所属機関: 1東海大学医学部整形外科 2東海大学医学部病態診断系病理

ページ範囲:P.969 - P.973

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 抄録:小児の指に発生し,病理学的診断が困難であった軟部悪性腫瘍の1例を報告する.症例は6歳女児.左小指基節部尺側に腫瘤が出現し,単純摘出術後約5カ月で同部位に再発を認めた.再摘出標本で腫瘍に出血や壊死はなく,充実性で胞巣状配列を認め,大型で多角形から短紡錐形の細胞と大型で異型性の著明な核を有していた.免疫組織学的にはVimentin(+++),S-100蛋白(+++),EMA(++),NSE(++),Cytokeratin KL-I(+)であり,電顕所見で上皮および間葉系への分化を認めた.
 以上より軟部悪性腫瘍と診断し,小指CM関節離断術を施行した.鑑別診断として類上皮肉腫,滑膜肉腫,明細胞肉腫,皮膚付属器腫瘍,悪性神経鞘腫等が考えられたが,最終的に臨床所見および病理組織学的所見より,極めて稀な類上皮型悪性神経鞘腫purely epithelioid typeが最も適切な診断であると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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