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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻8号

1996年08月発行

文献概要

臨床経験

鎖骨端に発症したposttraumatic osteolysisの1例

著者: 元津雅彦12 井上正史1 日浅浩成1 池田俊彦1 田口浩之1 小田伸悟1 宮本良治1 前田智治3 水木伸一4

所属機関: 1愛媛県立中央病院整形外科 2神戸中央市民病院整形外科 3愛媛県立中央病院病理 4国立療養所愛媛病院整形外科

ページ範囲:P.979 - P.981

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 抄録:鎖骨端に発症するposttraumatic osteolysisは比較的軽微な外力にもかかわらず肩鎖関節部の腫脹と疼痛が続き,数カ月後には鎖骨端の骨融解をみる比較的稀な疾患である.本症の1手術例につき報告した.症例は19歳男,1993(平成5)年6月14日自転車にて走行中転倒し左肩を打撲,翌日のX線にて異常を認めなかった.左肩鎖関節部の腫脹と疼痛が続き,3カ月後鎖骨端の骨融解をみた.同部には軽度の腫脹と圧痛を認めた.一般的な検査には異常を認めなかった.疼痛が続くため,1994(平成6)年1月7日鎖骨遠位端の切除と滑膜の部分切除を行った.鎖骨端の病理組織像では,骨皮質は著明に増殖した破骨細胞により吸収され菲薄化していた.病因は明らかではないが,終末神経・血管の損傷,自律神経障害,充血に伴う異化効果,破骨細胞による骨吸収の異常な亢進等が考えられている.本例では,破骨細胞による骨吸収が何らかの機転により異常に亢進していることが確かめられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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