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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻9号

1996年09月発行

文献概要

論述

高齢者の腰部椎間板ヘルニアにおける坐骨神経痛発症についての考察

著者: 細川昌俊1 横井秋夫1 西脇祐司1 太田圭一1 加藤哲也1

所属機関: 1国立東京第二病院整形外科

ページ範囲:P.1007 - P.1012

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 抄録:腰部椎間板ヘルニアにおける坐骨神経痛の発症には,若年者では椎間板内圧の関与が大であろうが,高齢者においても同様であろうか.この問題を考察する目的で,本人の希望により手術した50例のヘルニアを年齢別に分けて検討した.結果は,全例脱出型であったが,29歳以下では大部分が髄核が後方に脱出して神経根を圧迫している症例で,加齢と共に椎体後面にまで脱出する症例が多くなり,特に60歳以上では全例線維輪が椎体後面に嵌頓し椎間孔出口附近で神経根を絞扼していた.以上の手術所見から,若年型ヘルニアは成書にもあるように,後方に脱出した髄核による神経根の直接圧迫が坐骨神経痛の主因で椎間板内圧が関与するであろうが,老年型ヘルニアでは椎間板内圧の関与よりは,線維輪が椎体後面に嵌頓し,椎弓根内側部で神経根を椎弓に押しつけることによる絞扼が主因と思われた.壮年型ヘルニアには両者の場合がみられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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