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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻9号

1996年09月発行

文献概要

臨床経験

posttraumatic osteolysis of the pubic boneの1例

著者: 長野真久1 山本潔1 琴浦良彦2

所属機関: 1寿尚会洛陽病院整形外科 2市立長浜病院整形外科

ページ範囲:P.1053 - P.1055

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 抄録:posttraumatic osteolysis of the pubic boneの1例を報告する.症例は69歳女性.右殿部打撲後の右恥骨部痛を主訴に来院した.X線上恥骨骨折を認め,CT像,およびMRI像で恥骨周囲に腫瘤を認めた.MRI像上,恥骨骨折に伴う炎症性肉芽腫や膿瘍,あるいは悪性骨腫瘍が考えられたが,生検による組織診では肉芽種であった.2カ月後のX線像では骨折部の骨吸収像が出現したが,CT像およびMRI像上で腫瘤は縮小しており,3カ月後には疼痛も消失した.本疾患は骨折の治癒過程であると考えられ,骨粗鬆症を伴う高齢女性に外傷を契機に発生することが多い.保存的治療のみで数カ月以内に治癒するといわれているが,X線像で恥骨の破壊性・溶骨性病変を示すため悪性骨腫瘍と間違えやすい.本疾患の診断には外傷歴の詳しい聴取,MRIによる画像診断,および生検による組織診が必要であると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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