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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻9号

1996年09月発行

文献概要

臨床経験

肩峰骨髄炎により化膿性肩峰下滑液包炎と肩関節下方亜脱臼が発生した1例

著者: 岩本潤12 芝田仁1 阿部均1 宮坂敏幸1 月村泰規1 中西芳郎1

所属機関: 1北里研究所病院整形外科 2慶應義塾大学整形外科

ページ範囲:P.1091 - P.1094

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 抄録:11年前の肩鎖関節脱臼に対するKirschner鋼線刺入による肩峰骨髄炎から,化膿性肩峰下滑液包炎と肩関節下方亜脱臼が発生した1例を報告する.症例は30歳男性で,肩峰下インピンジメント症候群の診断下に肩峰下滑液包内へのステロイド注入後,炎症症状と肩関節下方亜脱臼が出現した.関節穿刺では2ccの黄色透明の関節液を得たのみであったが,症状が急速に増悪したため手術を施行し,肩峰骨髄炎から波及した化膿性肩峰下滑液包炎であることが判明した.下方亜脱臼の成因は,肩峰下滑液包内圧の上昇,関節液貯溜による関節内陰圧の消失と周囲筋の不均衡の相加的作用と推測された.肩鎖関節脱臼に対する手術の既往がある肩関節障害例へのステロイド注入は,少なくともピン・トラック・インフェクションの既往を確認した上で行うべきことを強調したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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