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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科31巻9号

1996年09月発行

文献概要

臨床経験

外傷性頚部症候群に対する頚椎前方固定術の長期成績

著者: 奥山幸一郎1 千葉光穂1 鈴木均1 黒田利樹1 田村康樹1 阿部栄二2 佐藤光三2

所属機関: 1秋田労災病院整形外科 2秋田大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1095 - P.1098

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 抄録:本邦では外傷性頚部症候群に対する外科的治療の長期成績はほとんど報告されていない.今回,外傷性頚部症候群の症例に対する前方固定術の比較的長期の成績,特に自覚症状,日常生活動作(以下ADL)の障害,就業状況などを調査した.症例は5例で,全例男性であった.手術時年齢は平均54歳(44~65歳)で,術後経過観察期間は平均7年3カ月(2~9年)であった.5例ともに神経学,X線学的に責任高位診断が非常に困難であったため,椎間板造影および選択的神経根造影での症状の再現性を最も参考にして固定椎間を決定した.成績は不変または悪化が3例,やや改善が2例であった.全例にADL障害を残しており,就業状況は極めて不良であった.したがって,椎間板造影および選択的神経根造影時の症状の再現性を根拠に前方固定術を行うことは症状の改善には無効と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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