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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻10号

1997年10月発行

文献概要

論述

脊椎手術後における創部感染発生危険因子の検討

著者: 高橋寛1 岡島行一1 米倉徹1 奥秋保1 安田ゆりか1 井形聡1 茂手木三男1

所属機関: 1東邦大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1119 - P.1125

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 抄録:近年,内固定材の進歩,普及に伴い,脊椎手術は大きな発展を遂げたが,その反面,術中,術後合併症の報告も多くみられるようになった.われわれは,術後合併症のうち創部感染症に注目し,その発生危険因子,初期徴候について検討した.対象症例は当院において手術を行った男性335例,女性204例,合計539例である.創部感染は,表層感染5例,深部感染9例,合計14例であった.単独因子の検討では,手術までの期間が長い症例,ICU入院歴がある症例,手術時間が長く出血量の多い症例で感染率が高かった.多変量解析の結果,既往歴,手術時間,ICU入院歴の順で感染に関与していた.表層感染では経時的にCRP値は下降し,再熱発例は少なく,深部感染では経時的にCRP値は上昇し,再熱発例が多かった.術後創部感染の早期診断,治療を行うためにはその危険因子や初期徴候の把握が重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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