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臨床経験
滑膜性骨軟骨腫症に続発した膝関節軟骨肉腫の1例
著者: 久田原郁夫1 前田朗1 島田幸造1 米田稔1 山崎大1 小林晏2 林田賢治3
所属機関: 1大阪厚生年金病院整形外科 2大阪厚生年金病院病理検査科 3大阪大学医学部整形外科
ページ範囲:P.1191 - P.1195
文献購入ページに移動症例は71歳男性で,右膝関節痛と関節可動域制限を主訴として来院した.過去2年間に,他院にて膝関節の滑膜性骨軟骨腫症の診断で関節内遊離体の摘出術を2回受けていた.当科でも当初は骨軟骨腫症の再発と診断し,関節内遊離体摘出,滑膜切除を施行した.しかし,7ヵ月後に再発しCT,MRIにて骨侵食像を認め,悪性化を疑い切開生検術を施行した.組織像は,当科における初回手術時の像に加えて骨梁間に腫瘍組織の浸潤があり,また短期間に再発したという臨床経過より滑膜性骨軟骨腫症に続発した軟骨肉腫と診断した.治療は,患肢温存術を選択し,人工関節置換術を行った.術後1年7ヵ月であるが,局所再発や遠隔転移は認めていない.
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