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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻11号

1997年11月発行

文献概要

論述

手術野剃毛および消毒法の再検討―術後創感染に対する有効性について

著者: 木村理夫1 広瀬広1 立石昭夫1 松下隆2 林貴久子3 伊藤恵美子3

所属機関: 1帝京大学医学部整形外科 2東京大学医学部整形外科 3帝京大学医学部附属病院手術部

ページ範囲:P.1207 - P.1209

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 抄録:術前剃毛の有用性および手術野消毒法の持続効果を明らかにするため予見的調査を行った.入院患者57名を対象に,手術前日に安全カミソリで剃毛を行った群25名および非剃毛群32名に分けた.両群ともに手術直前にはヒビスクラブによるブラッシングを施行後,ヒビテン・グルコネートアルコールにて術野の消毒を行った.ブラッシング前,消毒後,手術終了時にフードスタンプ法でそれぞれ術野の細菌採取・培養を行った.細菌検出率は,ブラッシング前では剃毛群72%:非剃毛群56%,消毒後は同0%:0%,手術終了時は同0%:9.4%であった.各検出率とも両群問にχ二乗独立性の検定(p<0.05)で有意差はなかった.検出菌は殆どが常在菌で,術後創感染は両群とも1例も認めなかった.以上より,術後創感染に対する術前日剃毛の有用性は認められなかった.また,0.05%ヒビテン・グルコネートアルコールによる手術野消毒法は有効性が持続された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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