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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻11号

1997年11月発行

文献概要

シンポジウム 腰椎変性疾患に対するspinal instrumentation―適応と問題点―

Carbon Fiber Cageを用いた腰椎後方進入椎体間固定術

著者: 大和田哲雄1 大河内敏行1 久田原郁夫1 佐藤巌1 米田稔1 小野啓郎1 山本利美雄2

所属機関: 1大阪厚生年金病院整形外科 2大阪労災病院整形外科

ページ範囲:P.1247 - P.1254

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 抄録:Brantiganらの開発したcarbon fiber製cage状implantを用いた後方進入椎体間固定術(PLIF)につき報告する.症例は63例(男性38例,女性25例),手術時年齢は21~74歳,平均年齢は47.6歳であった.疾患別では椎間板ヘルニア29例(再発ヘルニア12例,外側型ヘルニア2例を含む),変性辷り症21例,分離辷り症10例,腰部脊柱管狭窄症3例で,固定椎間数は1椎間58例,2椎間5例の計68椎間であった.手術は原法に準じて行い,椎間中央部に,内部に海綿骨を充填したcarbon fiber cageを2個固定し,両外側に自家骨移植を行った.全例にSteffee VSP systemを併用した.術後平均経過観察期間は54カ月であった.
 術前JOAスコアは2~22点,平均13.5点が,最終観察時で14~29点,平均26.6点であり,2例を除いて改善が得られ,長期にわたりその成績は維持されていた.平均改善率は84.5%であった.骨癒合成績では,単純X線において全例術後6カ月以内に骨癒合が確認され,union in situと評価された.carbon cageの脱転やmigrationを認めた症例はなかった.経時的なX線でみても,cageの内外に旺盛な骨形成を認めた.一方,固定上位椎間に新たな辷りをみたものが5例存在し,これらの症例では改善率が劣っていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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