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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻11号

1997年11月発行

文献概要

シンポジウム 腰椎変性疾患に対するspinal instrumentation―適応と問題点―

腰椎後方固定術後におけるpedicle screw周囲のclear zoneの推移と意義

著者: 徳橋泰明1 松崎浩巳1 石川博人1 若林健1 岩橋正樹1 石原和泰1

所属機関: 1日本大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.1255 - P.1263

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 抄録:50歳以上の不安定性を伴う腰椎変性疾患に対するpedicle screw fixation施行177例からpedicle screw周囲のX線透亮像(clear zone)の推移と意義について検討した.その結果,スクリュー周囲のclearzoneは術後6カ月で72例(40.7%)にみられ,多椎間固定,70歳以上,骨萎縮度の進行例で高率に発生した.発生部位は頭側端ないし尾側端の固定端に集中していた.最終観察時(術後2~9年)のclear zone陽性率は24例13.6%で偽関節例12例中11例(91.7%)が含まれ,clear zoneは骨癒合不全の大きな危険信号であった.一方,術後6カ月の時点でclear zone陽性の約2/3が骨癒合の進行とともにclear zoneが消失したことから,clear zoneの存在が必ずしも偽関節を意味せず,存在自体よりもclear zone発生後の増大あるいは消失の推移がより重要であった.また,clear zoneの推移と骨癒合の結果から骨萎縮度1度までは現在のスクリューシステムで十分対応可能と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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