icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻11号

1997年11月発行

文献概要

シンポジウム 腰椎変性疾患に対するspinal instrumentation―適応と問題点―

腰椎変性すべり症の病期と術式選択

著者: 川原範夫1 富田勝郎1 藤田拓也1 畑雅彦1 新屋陽一1 村上英樹1

所属機関: 1金沢大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1283 - P.1289

文献購入ページに移動
 第4/5腰椎変性すべり症に対して,術式の妥当性を検討する目的で後側方固定(PLF)を行った29例と後方進入椎体問固定(PLIF)を行った18例についてX-Pの調査を行った.PLFで骨癒合が見られた23例中,術前のすべりが5mm未満の6例のうち術後5%以上のすべりが進行したものは2例と少なく,術前すべりが5~10mmの12例中9例に術後5%以上のすべりの進行を認め,逆に術前すべりが10mm以上の5例のうち4例ですべりの進行は5%以下であった.また,術後すべりが5%以上進行した12例中11例は術前脊椎不安定性を認めていたものであった.また術前腰椎中間位側面で,後弯傾向にあった7例は術後に後弯位が進行して癒合が完成していた.PLIFを行った18例全例に椎体間骨癒合を認め,alignmentおよび椎間板高の矯正・維持がなされていた,以上をもとに,われわれは腰椎変性すべり症の病期を進行性の変性関節疾患ととらえ,「前期」,「初期」,「進行期」,「末期」の4 stageに分類し,その術式選択にあたっては,上記の病期分類を基本とし,脊椎不安定性の要素を加味したうえで,非固定・固定の別,および固定術式(PLF,PLIF)を決定するのが好ましいと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら