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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻11号

1997年11月発行

文献概要

連載 リウマチ―最新治療のポイントと留意点・2

頚椎疾患への対応

著者: 戸山芳昭1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1311 - P.1319

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 慢性関節リウマチ(以下,RA)頚椎病変に対して適切な治療を行うポイントは,まず本疾患に伴う症状の発現機序,自然経過,予後を理解し,局所と全身の両面から個々のRA患者の活動性や日常生活障害をきたしている原因を十分検討しておくことである.症状の発現機序,特にRA脊髄症は,脱臼に伴う脊柱管の狭小化(骨性因子)や硬膜外肉芽組織,歯突起後方腫瘤(軟部因子)などによる静的因子と,不安定性による動的因子が関与して生じる.静的因子はMRIで,動的因子はX線機能撮影を用い検討する.
 RA頚椎病変に対する外科的療法のもつ意義は,神経や血管への圧迫を取り除き,不安定化した脊柱に支持性を与えることである.手術では動的因子には固定術を,静的因子には除圧・固定術が選択される.しかしRA頚椎手術患者の予後は,全身疾患であるRAの活動性に大きく影響されていることを常に念頭に入れ治療に当たることが肝要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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