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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻11号

1997年11月発行

文献概要

臨床経験

頚椎化膿性脊椎炎による急性四肢麻痺の1例

著者: 遠藤健司1 市丸勝二1 間中昌和1 平学1 浦和康人1 伊藤公一1 今給黎篤弘2 草間博3

所属機関: 1東京医科大学霞ヶ浦病院整形外科 2東京医科大学整形外科 3東京医科大学霞ヶ浦病院病理

ページ範囲:P.1333 - P.1336

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 抄録:頚椎化膿性脊椎炎により発生した呼吸障害を伴った四肢麻痺の上手術例を経験した.症例は55歳の男性で,二次性糖尿病の既往を持つ.1996(平成8)年4月20日に誘因なく微熱が出現し,さらに排泄障害,右下肢の知覚運動障害が発生し近医受診入院となった.その後歩行不能,呼吸困難のため人工呼吸器使用となり4月30日当院紹介され転院となった.MRI上C6,7,Thl椎体に輝度変化があり,C6-Thl椎体後方には,圧迫病変が存在していた.全身状態の改善を待って症状発生後24日目の5月14日にC7,Thl椎体亜全摘骨移植による前方除圧固定術を施行した,摘出椎間板の病理診断より化膿性脊椎炎と硬膜外膿瘍であることが判明した.手術後,呼吸筋麻痺および上肢機能,下肢機能ともに改善した.急性炎症を示す化膿性脊椎炎は,麻痺の進行が早く早期加療が必要である.今回,MRIが早期診断に有用であり手術により良い結果を得ることができたので報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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