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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻11号

1997年11月発行

文献概要

臨床経験

椎間板ヘルニアが疑われた腰部脊柱管内嚢腫の1例

著者: 金治有彦1 石名田洋一2 市川亨2 相羽整2

所属機関: 1荻窪病院整形外科 2国立埼玉病院整形外科

ページ範囲:P.1337 - P.1340

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 抄録:椎間板ヘルニアが疑われた腰部脊柱管内嚢腫の1例を経験したので報告する.症例は38歳,男性.腰痛,右下肢痛を主訴に当院を受診した.神経学的には,右L5神経根刺激症状がみられた.MRIでL4椎体レベルにT1強調画像で等信号,T2強調画像で高信号,Gdで周辺部が軽度enhanceされる腫瘤が認められ,L4/L5椎間板造影では腫瘤が椎間板と交通していることが確認された.嚢腫摘出術を行ったが,嚢腫は脊柱管腹側,ほぼ正中で後縦靱帯と連続しており,硬膜,L4右神経根と癒着していた.嚢腫の内容物は血性であった.病理所見上,嚢腫壁は毛細血管を含む線維性結合組織より形成され,弾性線維に富んだ血管が付着していた.自験例の成因として,椎間板変性に伴うヘルニアの後方への膨隆により線維輪に裂隙が生じ,慢性の圧迫力を受けた後縦靱帯浅層と深層問の血管からの出血により血腫が形成され,嚢腫が生じたものと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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