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医療費の使い方
著者: 八百板沙1
所属機関: 1八百板整形外科医院
ページ範囲:P.1349 - P.1349
文献購入ページに移動マスコミの医療費叩きはもっとえげつない.たまたま発生した某病院の不正事件を足掛かりに,A新聞は一面トップで,「医療費2000億円過剰支払い」「架空診療や不必要な投薬」.内容を読むと多分「査定」を指しているのであろう.これは不正や架空ではなく「間違い」である.意味が全く違う.これら報道の仕方は悪意に満ちたものと言わざるを得ず,さらに「レセプトは金券」の記事に至っては木鐸の名を辱めるものである.「老人カルテ選び改竄」「患者の死後も通院」と,医療機関が「架空請求」「付増請求」をしているのは「もはや常識だ」とする.極端な例を一般の如くに見せかけるジャーナリストの悪弊である.整形外科では「消炎鎮痛処置」や「牽引」は水増し医療にはもってこいだと悪の温床の如くに宣伝する.このように医師はすべて詐欺師,病院はすべてインチキ治療をしていると宣伝して医療不信を煽るのは,わが国の医療全体から見て,どれほど不幸なことだろうか.
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