icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻12号

1997年12月発行

文献概要

手術手技 新たな試み

脊柱側弯症手術におけるエリスロポエチンおよび術中回収法使用による自己血輸血

著者: 尾鷲和也1 鈴木聡1 佐本敏秋1

所属機関: 1山形県立総合療育訓練センター整形外科

ページ範囲:P.1373 - P.1377

文献購入ページに移動
 抄録:23例の脊柱側弯症手術において,体重や基礎疾患・合併症などの身体条件に制約を設けず,エリスロポエチン(EPO)を用いて貯血し,術中回収法を併用し自己血輸血を行った.年齢は10~21歳,平均14.8歳で小児が主である.特発性8例,症候性15例と症候性例が多く,精神発達遅滞や生命予後不良の例も含まれていた.体重も平均37kgで低体重者が多く,30kg未満の例も8例あった.体重×8~10mlを基準に毎週貯血し,Hb値に応じ,EPO6,000単位を週1~3回用い,Hb値の大幅な低下をみることなく平均7回の貯血で約1,600mlの自己血を得た.EPO使用による副作用はなかった.手術は後方法13例,前後合併法10例で,出血は術中および術後24時間を合わせ平均2,300ml,得られた回収血は430ml,使用した自己血は1,500mlであった.大量出血の1例に同種血800mlを使用したが,残る22例は同種血輸血は回避でき,回避率は95.7%であった.小児においてもEPOは安全に使用でき,手術適応となる側弯症は全例自己血輸血の対象としてよい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら