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QOL―Quality of Life
著者: 森本兼曩1 丸山総一郎1
所属機関: 1大阪大学医学部環境医学教室
ページ範囲:P.1395 - P.1397
文献購入ページに移動人間の生を包括的に評価し,その向上を目ざす医学・医療を表現するキーワードとしてQOLが広く用いられようになっている.この背景には,医学の診断や治療面での急速な進歩の中で,単に病気を治すことや延命をはかるといった量的な医療の充足を目標とした反省から,その質的内容を問う医療への転換が求められていることがある.例えば,診断機器や検査方法の発達や新薬の開発により,病気を客観的,分析的に検討し治療することで,患者を全人的な対象とすることが少なくなり,医師と患者との関係が希薄となってきた.しかし,わが国における結核などの感染症から,癌,脳血管障害や心臓疾患に代表される慢性疾患への疾病死亡構造の変化から,むしろ医師は患者とともに医療に取り組むことが必要となっている.そこで,患者の満足感・快適度を考慮するためQOL評価が重要な課題となっている.ここでは,QOL研究の展開と問題点,整形外科領域の具体的評価例として慢性関節リウマチのQOL測定を紹介する.
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