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連載 整形外科philosophy・9
疼痛ケアの出発点と新世紀
著者: 辻陽雄1
所属機関: 1富山医科薬科大学医学部
ページ範囲:P.1399 - P.1401
文献購入ページに移動すでに哲学者Aristotelés(BC384-322)は痛みというものは情緒であると解釈した.ところが,Descartes(1596-1650)は痛みは情緒ではなく,知覚であると結論したのである.確かに痛覚の刺激を専門的に伝達する神経線維,すなわちA-δおよびC線維の存在が後に明らかにされているから,痛みは知覚であることは真理であるが,私達が痛みを認知するのはあくまで大脳においてであるから,痛みは情動として捉えるべきと私も思う.気の持ちようで痛みの強さや感じ方も変わるのも現実である.
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