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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻12号

1997年12月発行

文献概要

臨床経験

石灰化を伴う硬膜肥厚による頚髄症の1例

著者: 澤田元幸1 金澤淳則1 鈴木省三1 和田英路1 米延策雄1 越智隆弘1

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.1413 - P.1416

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 抄録:石灰化を伴う硬膜肥厚による頚髄症の1例を報告する.症例は62歳男性,主訴は両手の巧緻性障害と歩行障害.1995(平成7)年4月に右手のしびれ感で発症し,以後急速に歩行困難となった.初診時の日整会頚部脊髄症治療成績判定基準は7点であった.単純X線・断層撮影では異常は認めなかったが,頚椎MRI,脊髄造影後CTでC2からC7にかけて石灰化を伴う硬膜の肥厚を認めた.発熱などの全身症状はなく,血清学的検査でも異常を認めなかった.Idiopathic hypertrophic pachymeningitisと診断し,椎弓形成術と硬膜切開を施行した.術後,日整会頚部脊髄症治療成績判定基準は13点に改善した,硬膜組織は組織学的には,軟骨化生とその周囲の石灰化を認め,炎症細胞の浸潤や肉芽形成は認めなかった.pachymeningitisとは異なる病態が考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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