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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻12号

1997年12月発行

文献概要

臨床経験

スキーが原因と思われた長母指伸筋腱断裂の1例

著者: 金治有彦1 田崎憲一1 中村雅也1 片岡公一1 山根誓二1 山本卓哉1

所属機関: 1荻窪病院整形外科

ページ範囲:P.1421 - P.1424

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 抄録:スキーが原因と思われた長母指伸筋腱皮下断裂の1例を報告する.症例は20歳,男性.連日スキーを行っていたが,3日目に左母指伸展障害に気付いた.発症より10日目に当科を受診し,長母指伸筋腱皮下断裂と診断した,既往歴等に明らかな基礎疾患はなく,X線上異常所見はなかった.発症より2週後,固有示指伸筋腱の腱移行術を行い,術後1年母指機能は正常で,ADLに支障はない.長母指伸筋腱皮下断裂には,橈骨遠位端骨折,慢性関節リウマチなどに続発するものは多いが,スポーツによるものはわれわれが渉猟した範囲で6例と少なく,スキーは1例のみと極めて稀である.自験例ではスキー中に明らかな外傷はないが,バランスを崩しそうになったときにストックを握った状態で手関節を掌屈位から背屈して,ナックルで雪面をける動作を繰り返しており,ストック操作による機械的摩擦により,リスター結節で断裂を生じたものと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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