文献詳細
文献概要
整形外科英語ア・ラ・カルト・52
整形外科分野で使われる用語・その19
著者: 木村專太郎1
所属機関: 1那珂川病院
ページ範囲:P.174 - P.175
文献購入ページに移動これは医療用に使う目があらく柔らかな綿布のことで,消毒して傷の処置や包帯や使う「ガーゼ」のことである.“Gaze”(ガーゼ)はドイツ語であり,英語の綴りとは少し異なる.この“Gaze”はフランス語に由来しており,さらに語源はガーゼの布地が,パレスチナの“Gaza”(ガザ)で作られたから,この名前があるという.このことは以前にも本誌で触れたが(31巻7号,p. 837,1996年),“Gaza”という地名は,最近は「ガザ地区」の名前でテレビによく登場する.またガーゼはアラビア語の生糸を意味する“gazz”にも由来するという.「ガーゼ」を意味するとき,米国ではこの“gauze”という言葉はほとんど使わない.英語ではガーゼのことは正しくは“gauze sponge”であるが,“gauze”の部分を省略し“sponge”(スポンジ)だけを使う.ガーゼで血を拭いたり,液体を吸いとるので,“sponge”(29巻6号,p. 725,1994年)という.またこのガーゼで血や液を拭いたり,吸い取ったりする動詞形も“sponge”という.
手術を終了した時点で,使用したガーゼを手術野に残さないようにするが,手術後に使用したガーゼを数えることを“sponge count”といい,勿論整形外科の手術のときにも行う.
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