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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻2号

1997年02月発行

文献概要

臨床経験

リスフラン関節症に伴う長母趾伸筋腱皮下断裂の1症例

著者: 北西正光1 長谷川潔1 岩崎圭至1 竹口輝彦1

所属機関: 1八尾徳洲会病院整形外科

ページ範囲:P.179 - P.182

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 抄録:リスフラン関節(足根中足関節)の変形性関節症によると思われる長母趾伸筋腱皮下断裂の症例を経験したので報告する.症例は67歳女性,1989(平成元)年頃より左足背の膨隆と歩行時の疼痛を自覚していたが放置していた.1995(平成7)年11月2日坂道の上りを自転車を押して勢いよく歩いた時,急に左足背に激痛を認め,左母趾の背屈が不可能となったため当科受診した.初診時X線像では足根中足関節に関節裂隙の狭少化と骨硬化像,背側に骨棘形成を認めた.リスフラン関節症と同部における長母趾伸筋腱皮下断裂の診断にて第7病日に第1中足足根関節の骨棘切除と腱縫合術を施行した.術後6週間ギプス固定を行い,術後12週目には母趾可動域制限はなく,創部に疼痛もなく主婦業に復帰している.
 本症例は第1中足足根関節の骨棘による長期の機械的刺激が直上を走行する長母趾伸筋腱に加わったことにより同部分が脆弱化し,軽微な外力で断裂が生じたと推測した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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